木材は建設現場や製造業、家庭などさまざまな場所で発生しますが、木くずは必ずしも産業廃棄物になるわけではありません。実務では、産業廃棄物として処理する木くず、一般廃棄物となる木くずがあって、排出事業者・発生場所・業種によって区分が変わります。
また、法制度の見直しにより、産業廃棄物として扱われる木くずの範囲は拡大しています。
木くずとは
廃棄物処理法上では、木くずとは、木材が加工・解体・使用された結果として発生する廃棄物のことです。
たとえば、建築解体材、建設現場の型枠材、製材くず、木工加工の端材、梱包用木材、パレット、剪定枝(場合による)などです。ただし、廃棄物処理法では発生場所や発生業種によって産業廃棄物と一般廃棄物に区分されます。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令からの引用です。
(産業廃棄物)
第二条 法第二条第四項第一号の政令で定める廃棄物は、次のとおりとする。
二 木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。
(特別管理産業廃棄物)
第二条の四 法第二条第五項(ダイオキシン類対策特別措置法第二十四条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の政令で定める産業廃棄物は、次のとおりとする。
五 特定有害産業廃棄物(次に掲げる廃棄物をいう。)
(3) 木くず(事業活動等発生物に限る。)のうち、ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの

産業廃棄物となる木くずの定義
廃棄物処理法では、木くずは業種指定のある産業廃棄物として定義されています。
建設業に係る木くず
建設工事に伴って発生するもので、たとえば、建物解体材、型枠材、足場板、木製建材、建設現場の梱包材などで、建設工事に伴う木くずは、ほぼすべて産業廃棄物となります。
木材加工業から発生する木くず
たとえば、製材業、木工業、家具製造業、合板製造業などで発生するおがくず、木片、木材端材も産業廃棄物になります。
パルプ・紙製造業など
次の業種でも産業廃棄物となります。パルプ製造業、紙製造業、木材チップ製造業などです。
輸入木材の荷ほどき材
輸入木材の荷ほどきの際に発生する梱包材、パレットも産業廃棄物に該当します。
木くずが一般廃棄物になる場合
木くずでも、次のような場合は産業廃棄物ではなく一般廃棄物になります。
家庭から出る木くず
たとえば、家具、木製棚、木製ベッド、DIYの端材などです。家庭生活から出る廃棄物はすべて一般廃棄物です。
業種指定に該当しない事業者の木くず
ここが注意すべき、紛らわしい箇所です。排出元が事業者であっても産業廃棄物にならない場合です。
例えば、小売業、飲食店、事務所、サービス業などから出る(排出される)木製棚、木製什器、木製パレットは産業廃棄物ではなく事業系一般廃棄物になります。
剪定枝など
自治体によって異なり、すべての自治体で該当するとは限りませんが、例えば、公園の剪定、庭木の伐採などは、自治体によって一般廃棄物と産業廃棄物の扱いが異なることがあります。
剪定枝は、建設業者が土地造成のために伐採した場合は産業廃棄物(建設廃棄物)になりますが、単なる維持管理として造園業者が剪定した場合は一般廃棄物になることがあります。
産業廃棄物「木くず」の範囲の制度変更
木くずの範囲は、制度改正により拡大されています。以前は特定業種のみが対象でしたが、現在は、建設工事に伴う木くずについては、ほぼすべて産業廃棄物として扱われています。
これは建設廃棄物の適正処理、不法投棄防止、リサイクル推進の政策によるものです。
また、建設リサイクル法の影響もあり、木材、コンクリート、アスファルトは分別・再資源化が義務化されています。
なお、木製の「パレット」の扱いは非常に曖昧でしたが、リユース・リサイクルを促進するため、2008年(平成20年)4月の法改正により、「貨物の流通のために使用したパレット(木製)」は、排出業種を問わずすべて産業廃棄物となっています。
木くずと特別管理産業廃棄物の関係
通常の木くずは特別管理産業廃棄物ではありません。しかし、例外があります。
有害物質が付着した木材です。例えば、防腐剤、有害化学物質、PCBなどが付着している場合は特別管理産業廃棄物になる可能性があります。
木くずの処分方法
木くずは通常、次の方法で処理されます。
焼却処理
最も一般的な処理方法です。産業廃棄物処理施設で焼却、熱利用が行われます。
破砕処理
破砕して、チップ化、燃料化する方法です。
木くずのリサイクル方法
木くずはリサイクル率が高い廃棄物です。
主な利用方法は次のとおりです。
木質チップ
木材チップに加工して、製紙原料、バイオマス燃料、堆肥原料に利用されます。
バイオマス発電
木くずは、再生可能エネルギー燃料として利用されています。特に、建設廃木材、製材くずは発電燃料として利用されます。
パーティクルボード
家具材料として再利用されます。
木くずの処理で注意すべきポイント
事業者は次の点に注意する必要があります。
排出事業者責任
産業廃棄物の場合排出事業者が最終処分まで責任を負うことになります。
委託契約
処理業者へ委託する場合は産業廃棄物処理委託契約やマニフェストが必要です。
一般廃棄物との混同
木くずは業種・発生場所で区分が変わるため誤って処理すると違法になる可能性があります。



