産業廃棄物のバッカンとは?種類・コンテナとの違い・運搬方法・法令と注意点

コラム

建設現場や工場などでよく使われている「バッカン(産廃コンテナ)」は、産業廃棄物の適正処理において重要な役割を担っていますが、単なる「ゴミ箱」として扱うと、廃棄物処理法違反や行政指導のリスクがあるので注意が必要です。

バッカンの定義・種類・コンテナとの違い・運搬方法に加え、産業廃棄物処理法に基づく保管基準や実務上の注意点まで詳しく解説します。

バッカンとは

バッカンとは、産業廃棄物を一時的に保管して、そのまま収集運搬できる脱着式コンテナのことです。

主な特徴としては、鉄製で頑丈で建設廃材など重量物に対応しており、現場に設置できて、満杯なると、そのまま運搬できます。保管と収集運搬を一体化しています。

特に建設・解体現場では、がれき類、木くず、金属くずなどの大量に出たりするので、重量のある産業廃棄物の管理に適しています。

バッカンの種類と特徴

  • 容量別のバッカンの種類(代表例)は次のとおりです。
    • 小型(1~3m3):狭い現場・小規模工事
    • 中型(4~8m3):一般的な建設現場
    • 大型(10m3以上):解体・大規模工事
  • 構造別のバッカンの種類(代表例)は次のとおりです。
    • オープン型(上部開放)
    • フタ付き型(飛散防止)
    • 密閉型(汚泥・臭気対策)
  • 用途別のバッカンの種類(代表例)は次のとおりです。
    • 混合廃棄物用
    • 分別用(木くず・金属など)

バッカンは用途・容量に応じて選定しないと、「運搬効率低下」や「法令違反」の原因になります。

バッカンとコンテナの違い

よく混同されるため整理しておきます。

区分 バッカンその他コンテナ
構造鉄製・剛性高いフレコンなど柔軟素材あり
運搬 車両に脱着して運搬 フォークリフト等で移動
用途重量物・大量廃棄物軽量・粒状廃棄物
産廃ボックスフレコンバッグ

フレコンバッグは袋状で、クレーンで吊り上げて運搬する点が大きな違いです。

産業廃棄物処理法とバッカン

バッカンの使用は、以下の法規制と密接に関係します。

保管基準

根拠法令は廃棄物処理法第12条第2項と施行規則第8条(保管基準)です。

(事業者の特別管理産業廃棄物に係る処理)

第十二条の二

2 事業者は、その特別管理産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準(以下「特別管理産業廃棄物保管基準」という。)に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則

(産業廃棄物保管基準)
第八条 法第十二条第二項の規定による産業廃棄物保管基準は、次のとおりとする。
一 保管は、次に掲げる要件を満たす場所で行うこと。
イ 周囲に囲い(保管する産業廃棄物の荷重が直接当該囲いにかかる構造である場合にあつては、当該荷重に対して構造耐力上安全であるものに限る。)が設けられていること。
ロ 見やすい箇所に次に掲げる要件を備えた掲示板が設けられていること。
(1) 縦及び横それぞれ六十センチメートル以上であること。
(2) 次に掲げる事項を表示したものであること。
(イ) 産業廃棄物の保管の場所である旨
(ロ) 保管する産業廃棄物の種類(当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨を含む。)
(ハ) 保管の場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
(ニ) 屋外において産業廃棄物を容器を用いずに保管する場合にあつては、次号ロに規定する高さのうち最高のもの

  • 産業廃棄物の主な保管基準は次のとおりです。
    • 囲いの設置
    • 掲示板の設置(保管の表示)
    • 飛散・流出防止
    • 地下浸透防止
    • 悪臭・害虫対策

バッカンは「容器」扱いでも、保管場所の基準は守らなければなりません

排出事業者責任

根拠法令は廃棄物処理法第3条と第12条第1項です。

(事業者の責務)
第三条 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

(事業者の処理)
第十二条 事業者は、自らその産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。第五項から第七項までを除き、以下この条において同じ。)の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(当該基準において海洋を投入処分の場所とすることができる産業廃棄物を定めた場合における当該産業廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。以下「産業廃棄物処理基準」という。)に従わなければならない。
2 事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準(以下「産業廃棄物保管基準」という。)に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。

排出事業者は、最終処分まで責任を負う(マニフェスト含む)ことになっています。

委託基準・収集運搬

根拠法は廃棄物処理法第12条の3と第14条です。

(事業者の処理)
7 事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

バッカン運搬でも無許可業者に依頼すると違法になります。

バッカン使用時の注意点

  • よくある違反例は次のとおりです。
    • 掲示板未設置
    • 過積載(道路交通法違反)
    • 廃棄物の混合
    • 許可業者でない収集運搬
  • よくあるトラブル事例は次のとおりです。
    • 悪臭・害虫による近隣苦情
    • 雨水による汚水流出
    • 不法投棄の誘発

バッカンは「便利な容器」ではなく法令管理対象の保管設備です。バッカンは、産業廃棄物管理において有効な設備(器具)ですが、保管基準の遵守、許可業者の選定、分別・表示の徹底ができていない場合、廃棄物処理法違反となるリスクが高い設備でもあります。