FIT制度の太陽光発電所を売却するときは何をする?売主が確認すべき手続を行政書士が解説

コラム

太陽光発電所を売却することになった場合、

  • 売買契約を締結すれば手続は終わるのだろうか。
  • FIT制度では何をしなければならないのだろうか。
  • 買主へどのような資料を引き継げばよいのだろうか。
  • 売却後に手続漏れが判明しないだろうか。

と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

太陽光発電所の売買では、不動産や設備を引き渡せば終わりではありません。

FIT制度では、売買に伴って必要となる手続を確認するとともに、買主へ引き継ぐ認定情報や関係資料を整理しておくことが重要です。

特に、売却後に資料不足や手続漏れが判明すると、買主とのやり取りが長引いたり、追加資料の提出が必要となったりすることがあります。

そのため、売却を決めた段階から必要事項を整理し、スムーズに引き継げる状態にしておくことが大切です。

この記事では、太陽光発電所を売却する際に売主が確認しておきたいFIT制度上の手続や準備事項について、行政書士の視点から解説します。

太陽光発電所の売却を決めたら最初に確認すること

太陽光発電所の売却を決めたら、まず現在の認定内容を確認しましょう。

売却後に必要となるFIT制度上の手続は、現在の認定内容を前提として判断されます。

そのため、売却を進める前に、現在どのような内容で認定を受けているのかを整理しておくことが重要です。

また、売買では買主から認定内容や設備の状況について確認を求められることも少なくありません。

売却前から認定内容を整理しておくことで、

  • 買主への説明がしやすくなる
  • 引継ぎが円滑になる
  • 売却後に追加資料を探す手間を減らせる

といったメリットがあります。

行政書士としても、売買案件では最初に認定内容を確認し、その後に必要となるFIT制度上の手続を整理していきます。

売却前に整理しておきたい資料

売却後の手続を円滑に進めるためには、関係資料を事前に整理しておくことが大切です。

資料が不足している場合、売却後に買主から追加提出を求められたり、必要な手続の確認に時間を要したりすることがあります。

行政書士が売買案件で確認する主な資料には、次のようなものがあります。

  • 認定内容が確認できる資料
  • 設備に関する資料
  • 土地に関する資料
  • 接続契約に関する資料
  • 廃棄費用積立制度に関する資料
  • これまでの変更手続に関する資料

案件によって必要となる資料は異なりますが、これらを整理しておくことで、売却後の手続を円滑に進めやすくなります。

また、買主がデューデリジェンス(DD)を実施する場合には、これらの資料の提示を求められることがあります。

売却を検討し始めた段階から整理しておくことをおすすめします。

FIT制度で確認が必要となる手続

太陽光発電所の売却では、売買契約だけでFIT制度上の手続が完了するわけではありません。

売却に伴い認定内容に変更が生じる場合には、FIT制度上必要となる手続を確認する必要があります。

必要となる手続は案件ごとに異なり、

  • 変更認定申請
  • 事前変更届出
  • 事後変更届出

のいずれに該当するかは、資源エネルギー庁が公表している変更内容ごとの変更手続整理表に基づいて判断します。

また、添付書類についても変更内容ごとに異なるため、手続区分だけではなく必要書類も確認することが重要です。

売買案件では、契約締結後に必要書類や変更事項を確認すると、手続全体が遅れる原因となることがあります。

そのため、売却を検討している段階から必要となるFIT制度上の手続を整理し、買主へ適切に引き継げるよう準備しておくことをおすすめします。

なお、変更認定申請と変更届出の違いについては、関連記事「FIT制度の変更認定と変更届の違いとは?行政書士がわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

売主が確認したい主な事項

太陽光発電所の売却では、売買契約を締結することだけが目的ではありません。

売却後に買主が円滑に事業を承継できるよう、売主として確認しておきたい事項があります。

特に、契約締結後に資料不足や認定内容との相違が判明すると、追加資料の提出や手続のやり直しが必要になる場合もあります。

そのため、売却前に次の事項を確認し、必要な資料を整理しておくことをおすすめします。

認定内容

現在どのような内容で認定を受けているかを確認します。

認定内容は、売却後に必要となるFIT制度上の手続を判断する基礎となります。

また、設備の現況と認定内容に相違がないかも確認しておくことが重要です。

変更履歴

設備交換やその他の変更手続を行った場合には、その履歴を整理します。

過去の変更内容が整理されていないと、買主が必要な手続を判断しにくくなる場合があります。

設備の状況

設備については、

  • 太陽光パネル
  • パワーコンディショナ
  • その他認定設備

の更新や交換の有無を整理します。

また、売却後に設備更新を予定している場合には、売却との関係も含めてFIT制度上の手続を確認しておくことが望まれます。

廃棄費用積立制度

対象設備では、廃棄費用積立制度の対象となっているか、積立状況などについて確認します。

売却時には、買主から積立状況について確認を求められることもあります。

土地の権原

設備を設置している土地について、

  • 所有地
  • 賃借地
  • その他の使用権原

を確認します。

また、賃貸借契約がある場合には、契約内容についても整理しておくと引継ぎが円滑になります。

接続契約

電力会社との接続契約についても確認します。 売却案件では、接続契約に関する資料の確認を求められることがあります。

行政書士が確認する事項

行政書士は、売却後の手続が円滑に進むよう、主に次の事項を確認します。

  • 事業者ID
  • 設備ID
  • FIT又はFIP区分
  • 認定年月日
  • 運転開始日
  • 調達期間又は交付期間
  • 認定内容
  • 変更履歴
  • 設備の状況
  • 廃棄費用積立制度の状況
  • 土地の所有権又は賃借権等の権原
  • 接続契約の状況
  • 許認可等の取得状況
  • 必要となる変更認定又は変更届出
  • 添付書類

また、売却後に買主が必要な手続を円滑に進められるよう、引き継ぐ資料に不足がないかについても確認します。

売買案件では、契約締結後に必要書類の不足が判明することもあるため、売却前から資料を整理しておくことが重要です。

行政書士へ相談するメリット

太陽光発電所の売却では、売買契約だけでなく、FIT制度上必要となる手続についても確認する必要があります。

行政書士へ相談することで、

  • 必要となるFIT制度上の手続の整理
  • 必要書類の確認
  • 変更認定申請又は変更届出の要否の整理
  • 行政書士が作成できる申請書類の作成
  • 売却後を見据えた資料整理

についてサポートを受けることができます。

また、売却前の段階で必要資料を整理しておくことで、

  • 買主から追加資料を求められるリスク
  • 売却後に手続漏れが判明するリスク
  • 手続の遅延による負担

を軽減できる場合があります。

特に、太陽光発電所の売買では、認定内容や変更履歴などFIT制度特有の確認事項があるため、売却を検討し始めた段階で相談することをおすすめします。

なお、売買契約書の作成や契約内容に関する法律判断、契約交渉など行政書士の業務範囲を超える事項については、必要に応じて弁護士等の専門家との連携が必要となります。

よくある質問

Q
売買契約を締結すればFIT制度の手続も終わりますか
A

いいえ。
売買契約とは別に、FIT制度上必要となる手続を確認する必要があります。
必要となる手続は、変更内容ごとの変更手続整理表に基づいて判断します。

Q
売却前に設備を交換する予定です。先に交換した方がよいですか
A

設備交換の内容によって必要となるFIT制度上の手続が異なるため、一概にはいえません。

交換を予定している場合は、売却との関係も含めて必要となる手続を確認することをおすすめします。

Q
売却前に資料を整理しておくメリットはありますか
A

あります。
認定内容や変更履歴、設備に関する資料などを整理しておくことで、買主への引継ぎが円滑になり、売却後の追加資料提出や手続の遅延を防ぎやすくなります。

Q
行政書士へ相談するタイミングはいつがよいですか
A

売買契約を締結した後ではなく、売却を検討し始めた段階で相談することをおすすめします。

必要となる手続や資料を事前に整理しておくことで、その後の手続を円滑に進めやすくなります。

Q
買主からデューデリジェンス(DD)の資料提出を求められました
A

売買では、認定内容、変更履歴、設備の状況、土地の権原、接続契約などについて確認資料の提出を求められることがあります。

事前に資料を整理しておくことで、買主とのやり取りも円滑になります。

Q
売却前に行政書士へ依頼するメリットはありますか
A

売却前から必要となるFIT制度上の手続や必要資料を整理することで、売却後の手続漏れや資料不足を防ぎやすくなります。

また、案件ごとに必要となる変更手続を確認できるため、売却後を見据えた準備を進めることができます。

チェックリスト

売却前には、次の事項を確認しておきましょう。

  • 現在の認定内容を確認した
  • 事業者ID・設備IDを確認した
  • 変更履歴を整理した
  • 設備の状況を確認した
  • 廃棄費用積立制度の状況を確認した
  • 土地の権原を確認した
  • 接続契約の状況を確認した
  • 必要となる変更認定又は変更届出を確認した
  • 買主へ引き継ぐ資料を整理した

まとめ

太陽光発電所の売却では、売買契約の締結だけでなく、FIT制度上必要となる手続や関係資料の整理も重要です。

売却前に認定内容や変更履歴、設備の状況、土地の権原などを確認しておくことで、買主への引継ぎが円滑になり、売却後の手続漏れや追加資料の提出を防ぎやすくなります。

また、案件によって必要となるFIT制度上の手続や添付書類は異なります。

変更内容ごとの変更手続整理表などの公式資料を確認しながら進めることが重要です。

売却をご検討中で、「どのような資料を準備すればよいのか」「FIT制度ではどのような手続が必要になるのか」とお悩みの場合は、売却を進める前に一度整理しておくことをおすすめします。

当事務所でサポートできること

当事務所では、太陽光発電所の売却に伴うFIT・FIP制度の各種手続について、必要書類の整理、変更認定申請、変更届出その他行政書士が取り扱うことができる業務をサポートしております。

また、売却前の資料整理や、買主へ円滑に引き継ぐための確認事項についてもご相談いただけます。

太陽光発電所の売却をご検討中の方、FIT制度の手続についてご不明な点がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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