FIT制度の太陽光発電所を相続したら何をする?FIT制度の手続と相続人が確認すべきポイントを行政書士が解説

コラム

太陽光発電設備の認定事業者が亡くなった場合、

  • FIT制度の認定はどうなるのだろうか
  • 相続人は何から始めればよいのだろうか
  • 相続したらFIT制度の手続も必要なのだろうか

と不安に感じる方は少なくありません。

相続では、不動産や預貯金などの相続手続だけではなく、FIT制度に基づく手続についても確認する必要があります。

また、相続が発生したからといって一律に同じ手続となるわけではなく、案件の内容によって必要となる変更認定申請や変更届出が異なる場合があります。

そのため、相続が発生した際は、現在の認定内容や設備の状況を確認し、必要となる手続を整理したうえで対応することが重要です。

この記事では、認定事業者が亡くなった場合に相続人が確認したい事項や、FIT制度上の手続について、行政書士の視点から解説します。

認定事業者が亡くなったら最初に確認すること

認定事業者が亡くなった場合、最初に確認したいのは現在の認定内容です。

相続手続では戸籍や遺産分割などに目が向きがちですが、FIT制度では認定内容を確認しなければ、その後に必要となる手続を判断することができません。

行政書士として、まず確認したい事項は次のとおりです。

  • 事業者ID
  • 設備ID
  • FIT又はFIPの区分
  • 認定年月日
  • 運転開始日
  • 調達期間又は交付期間
  • 現在の認定事業者

これらを確認したうえで、相続によって変更となる事項を整理していきます。

また、相続案件では設備だけでなく、土地や契約関係についても確認が必要となる場合があります。

相続手続を円滑に進めるためにも、できるだけ早い段階で必要資料を整理することが重要です。

FIT制度の相続で確認すべきこと

認定事業者が亡くなった場合、相続手続とFIT制度の手続は別のものとして考える必要があります。

民法上の相続手続が必要であることに加え、FIT制度では認定内容に変更が生じる場合の手続について確認しなければなりません。

そのため、「相続手続が終わったからFIT制度も終わり」とはなりません。

まずは、

  • 現在の認定内容
  • 相続の内容
  • 今後の事業運営

を整理したうえで、必要となるFIT制度上の手続を確認します。

手続の種類や添付書類については、資源エネルギー庁が公表している「変更内容ごとの変更手続整理表」に基づいて確認します。

相続で必要となるFIT制度の手続

認定事業者の相続では、FIT制度上の手続が必要となる場合があります。

ただし、必要となる手続は一律ではありません。

案件の内容によって、

  • 変更認定申請
  • 事前変更届出
  • 事後変更届出

のいずれが必要となるかを確認します。

また、必要となる添付書類も変更内容によって異なります。

変更内容ごとの変更手続整理表では、変更項目ごとの手続区分や添付書類が整理されています。

相続案件では、相続関係書類だけでなく、FIT制度で必要となる資料についてもあらかじめ整理しておくことで、その後の手続を円滑に進めることができます。

変更認定申請と変更届出の違いについては、関連記事「FIT制度の変更認定と変更届の違いとは?行政書士がわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

相続人が確認したい主な事項

相続では、相続人の確定だけではなく、発電事業を継続するために確認したい事項があります。

認定内容

現在どのような内容で認定を受けているかを確認します。

認定内容は、必要となるFIT制度上の手続を判断するための基礎資料となります。

設備の状況

設備の更新や交換を予定している場合には、相続とは別にFIT制度上の手続が必要となる場合があります。

廃棄費用積立制度

対象設備では、廃棄費用積立制度の対象となっているか、積立状況などについても確認しておくことが重要です。

土地の権原

設備を設置している土地について、所有権や賃借権などの権原を確認します。

接続契約

電力会社との接続契約についても確認しておきます。

許認可等

案件によっては、関係法令に基づく許認可等についても確認が必要となります。

行政書士が確認する事項

相続が発生した場合、行政書士は相続関係書類だけを確認するわけではありません。

FIT制度上必要となる手続を判断するため、認定内容や設備の状況などを総合的に確認します。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 事業者ID
  • 設備ID
  • FIT又はFIP区分
  • 認定年月日
  • 運転開始日
  • 調達期間又は交付期間
  • 現在の認定内容
  • 相続の内容
  • 変更履歴
  • 廃棄費用積立制度の状況
  • 土地の所有権又は賃借権等の権原
  • 接続契約の状況
  • 許認可等の状況
  • 必要となる変更認定又は変更届出
  • 添付書類

相続案件では、戸籍関係書類だけではなく、FIT制度で必要となる資料も整理する必要があります。

また、相続後に設備の更新や売却などを予定している場合には、その後に必要となるFIT制度上の手続も考慮しながら進めることが重要です。

行政書士へ相談するメリット

相続が発生すると、相続人は戸籍の収集や遺産分割、不動産や預貯金の手続など、多くの手続を進めることになります。

その中で、FIT制度の手続まで確認することは容易ではありません。

行政書士へ相談することで、

  • FIT制度上必要となる手続の整理
  • 必要書類の確認
  • 変更認定申請又は変更届出の要否の確認
  • 行政書士が作成できる申請書類の作成
  • 手続全体の流れの整理

についてサポートを受けることができます。

なお、遺産分割の法的判断、相続争い、登記、税務など行政書士の業務範囲を超える事項については、弁護士、司法書士、税理士等と連携して対応することになります。

よくある質問

Q
認定事業者が亡くなった場合、FIT制度の手続は必要ですか
A

はい。

相続が発生した場合は、民法上の相続手続とは別に、FIT制度上必要となる手続について確認する必要があります。

必要となる手続は案件によって異なるため、変更内容ごとの変更手続整理表に基づいて判断します。

Q
相続したら必ず変更認定申請になりますか
A

いいえ。

必要となる手続は一律ではありません。

変更内容によって、変更認定申請、事前変更届出又は事後変更届出のいずれが必要となるかを確認します。

Q
相続人が複数いる場合でも手続できますか
A

相続人が複数いる場合でも、FIT制度上必要となる手続について確認する必要があります。

相続の状況によって必要書類や手続の進め方が異なる場合があるため、個別の案件ごとに確認することが重要です。

Q
相続した発電設備を売却する予定です
A

相続後に売却を予定している場合は、相続に伴う手続だけでなく、売買に伴うFIT制度上の手続についても確認する必要があります。

売却の時期や手続によって確認事項が異なるため、事前に整理しておくことをおすすめします。

Q
相続後に設備を交換する予定です
A

設備の変更を予定している場合には、相続とは別にFIT制度上の変更手続が必要となる場合があります。

必要となる手続は変更内容ごとの変更手続整理表で確認します。

Q
行政書士へ相談するメリットはありますか
A

行政書士は、FIT制度上必要となる手続の整理、必要書類の確認、申請書類の作成など、行政書士法の範囲内でサポートすることができます。

相続手続全体の中で、FIT制度に関する手続を整理したい場合には、早めに相談することをおすすめします。

チェックリスト

相続が発生した場合は、次の事項を確認しておきましょう。

  • 現在の認定内容を確認した
  • 事業者ID・設備IDを確認した
  • 相続関係資料を整理した
  • 設備変更の予定がないか確認した
  • 廃棄費用積立制度の状況を確認した
  • 土地の権原を確認した
  • 接続契約の状況を確認した
  • 必要となる変更認定又は変更届出を確認した
  • 添付書類を確認した

まとめ

認定事業者が亡くなった場合は、相続手続だけではなく、FIT制度上必要となる手続についても確認することが重要です。

必要となる手続は一律ではなく、相続の内容や認定内容によって異なります。

また、認定内容だけでなく、設備、土地の権原、接続契約、廃棄費用積立制度などについても確認し、必要書類を整理したうえで手続を進めることが大切です。

相続後に売却や設備変更などを予定している場合には、それらに伴うFIT制度上の手続もあわせて確認することで、手続漏れを防ぐことにつながります。

当事務所でサポートできること

当事務所では、認定事業者の相続に伴うFIT・FIP制度の各種手続について、必要書類の整理、変更認定申請、変更届出その他行政書士が取り扱うことができる手続をサポートしております。

また、相続後に発電設備の売却や設備変更を予定している場合についても、必要となるFIT制度上の手続を整理し、円滑に進められるよう支援いたします。

相続に伴うFIT制度の手続でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

関連記事

※本記事は、再生可能エネルギー電気利用促進特別措置法、関係法令、資源エネルギー庁公表資料、FIT・FIP制度ガイドブック、変更内容ごとの変更手続整理表その他の公式資料を基に作成しています。制度改正や運用変更が行われる場合がありますので、実際の手続に当たっては最新の公表資料をご確認ください。